投資をしていると、「いつ売ればいいのか」という問題に必ずぶつかります。
買うときは、それなりに理由があります。
「将来伸びそうだから」
「配当金が欲しいから」
「分散投資のため」
「なんとなく面白そうだから」
ところが、いざ売るとなると迷います。
利益が出ていれば、「まだ上がるかもしれない」と思う。
下がっていれば、「今売ったら損を確定させることになる」と思う。
そんなことを繰り返していると、売ること自体が難しくなってきます。
そこで私は、投資を続ける中で「基本的に売らないもの」と「条件次第で売るもの」を分けて考えるようになりました。
基本的に「売らない」と決めているもの
まず、配当金や分配金を受け取ることを目的に持っているものです。
こうした商品は、値上がりだけを目的に買っているわけではありません。
持っていることで定期的に収入が生まれることに意味があります。
そのため、少し値下がりしたからといって、すぐに売るつもりはありません。
むしろ、値上がりしていても「利益が出たから売ろう」とはなりにくいです。
自分にとっては、売却益を一度受け取るよりも、その後も持ち続けて収入を生み出してくれることのほうが重要だからです。
もちろん、分配金の中身や商品の状況を何も見ないという意味ではありません。
ただ、「価格が上がった・下がった」だけを理由に売ることはしない。
ここは意識しています。
長期で育てたいものも、基本的には売らない
もう一つは、将来の資産形成を目的として持っている投資信託などです。
こちらは、今すぐ収入を得るというより、長い時間をかけて資産そのものを育てていくためのものです。
そのため、短期的な値動きだけで売ることは考えていません。
投資をしていると、少し下がっただけでも「この商品で大丈夫なのかな」と思うことがあります。
逆に、大きく上がると「今のうちに利益を確定したほうがいいのでは」と思うこともあります。
でも、長期で持つつもりで買ったものなら、短期的な値動きだけで売ってしまうと、最初に決めた目的そのものが変わってしまいます。
だから、長期で育てると決めたものについては、基本的にそのまま持ち続けます。
では、何を売るのか
「売らない」と決めると、今度は「じゃあ一度買ったら永久に売らないの?」という話になります。
もちろん、そうではありません。
私の場合、売る可能性があるのは、主に「持ち続ける理由が弱くなったもの」です。
例えば、似たような商品を複数持っていて、内容がかなり重なっている場合。
どちらも似たような値動きをするのであれば、信託報酬などのコストを比較します。
長期で持つものだからこそ、わずかなコストの違いも積み重なります。
「こちらを残す理由のほうが明確だな」と思えば、もう一方を整理することがあります。
つまり、「値上がりしたから売る」ではなく、「持ち続ける理由が薄くなったから売る」という考え方です。
「含み損だから売る」「含み益だから売る」では決めない
投資を始めたばかりの頃は、含み益や含み損が売買の判断に直結しやすいと思います。
含み益なら、
「利益が出ているうちに売ろう」
と思う。
含み損なら、
「これ以上下がる前に売ろう」
と思う。
でも、それだけでは判断できないことも多いです。
含み益が出ていても、これからも持ちたいと思えるなら、売る必要はありません。
逆に、含み損でも、長期で持つ理由があるなら、慌てて売る必要はありません。
重要なのは、「今いくら儲かっているか」だけではなく、「これからも持ちたいか」です。
「なんとなく買ったもの」は見直す
一方で、投資を続けていると、最初の頃に買ったものの中に、
「これ、なぜ買ったんだっけ?」
というものが出てきます。
これは少し注意が必要だと思っています。
買ったときには魅力的に見えても、投資について知識が増えると、考え方が変わることがあります。
以前は気にしていなかったコストが気になるようになったり、似た商品をもっとシンプルに持てることに気づいたりすることもあります。
そういう場合は、「せっかく買ったから」という理由だけで持ち続ける必要はないと思っています。
投資では、買った時点の自分の判断にずっと縛られる必要はありません。
ただし、全部を整理してシンプルにする必要もない
投資の話をしていると、
「結局、優良な商品を少数に絞るのがいい」
という考え方をよく見かけます。
それも一つの方法だと思います。
でも、私は必ずしもそうする必要はないと考えています。
似たような商品を複数持っていることに、自分なりの意味があるなら、それでもいい。
少し変わったテーマの商品を持っているのも、それが投資全体の中で大きな負担にならないのであれば、楽しみの一つになります。
投資は、効率だけで考えればいいものでもありません。
「これはちょっと面白そう」という気持ちで持っているものが、思いがけず大きく伸びることもあります。
もちろん、だからといって何でも買えばいいわけではありません。
自分の中で「これは遊びの部分」「これは資産形成の中心」と役割を分けておくことが大切だと思っています。
売る基準を先に決めておく
投資を始めて感じるのは、「買う基準」だけでなく「売る基準」も必要だということです。
私の場合は、
「値上がりしたから売る」
「値下がりしたから売る」
だけでは判断しません。
その商品を持つ目的は何なのか。
今でもその目的は変わっていないのか。
コストを含めて、持ち続ける価値があるのか。
似た商品に置き換えたほうがいいのか。
こうしたことを考えて、売るかどうかを決めます。
そして、明確な理由がないなら、無理に売らない。
これも一つのルールにしています。
「売らない」は、何もしないことではない
「長期投資=一度買ったら放置」というイメージがあります。
でも、私が考える「売らない」は少し違います。
持ち続ける理由を確認したうえで、あえて売らない。
これなら、ただ放置しているのとは意味が違います。
投資を続けていると、相場が上がったり下がったりするたびに、売買したくなることがあります。
そんなときに、
「これは売るべきなのか?」
ではなく、
「そもそも、なぜ私はこれを持っているんだっけ?」
と考える。
その答えが変わっていないなら、持ち続ける。
答えが変わったなら、売却を検討する。
私にとっては、このくらいの距離感がちょうどいいように感じています。
投資は「買うこと」より「持ち続け方」が難しい
投資を始めたばかりの頃は、何を買うかばかり考えていました。
でも、続けていると、むしろ「どう持ち続けるか」のほうが重要なのではないかと思うようになりました。
何でも売らない。
何でも持ち続ける。
そのどちらでもありません。
自分が何のために買ったのかを忘れず、その理由があるものはじっくり持つ。
そして、役割を終えたものや、より納得できる選択肢が見つかったものは整理する。
「売らないもの」と「売るもの」を最初から完全に決める必要はありません。
投資を続けながら、自分なりの基準を少しずつ作っていけばいい。
私にとっては、それも投資を続ける中で身についた大きな変化の一つです。

