資産形成を始めると、資産が増えていくことがうれしくなります。
先月よりも資産が増えている。配当金や分配金が少しずつ入ってくる。
積み重ねてきたものが数字になって表れると、続けてきてよかったと感じます。
けれど、資産が増えれば、将来への不安がなくなるかというと、そう単純な話でもありません。
今回は、資産形成を続ける中で考えるようになった、お金と安心の関係について書いてみたいと思います。
資産が増えても、不安がなくなるわけではない
例えば、資産が500万円のときと、1,000万円になったときでは、経済的な余裕は大きく違います。
急な出費にも対応しやすくなりますし、将来に向けてできることも増えていきます。
それでも、将来の生活費、病気や予期せぬ支出、働けなくなったときのことなど、不安の種がすべてなくなるわけではありません。
むしろ、資産が増えたことで、今度はその資産をどう守り、どう育てていくかが気になることもあります。
いくらあれば安心できるのか。その答えは、人によって違います。
生活費も違えば、望む暮らしも違います。家族構成や仕事への考え方によっても、必要だと感じる金額は変わります。
だからこそ、資産額だけを基準にしていると、目標を達成しても、次の目標を設定して、いつまでも安心できないということが起こり得るのだと思います。
大切なのは、お金があることだけではない
では、お金が増えることに意味はないのでしょうか。
もちろん、そんなことはありません。
お金があれば、選べることが増えます。
仕事を続けるか、働き方を変えるか。急な出費があったときに、無理をせず対応できるか。
将来の生活について、どのような選択肢を持てるか。
資産は、こうした選択肢を支えるものです。
ただし、資産額が大きくても、生活費のすべてを給与に頼っていたり、収入が途絶えたときの備えがなかったりすれば、不安は残ります。
反対に、資産額がそれほど大きくなくても、生活費を把握し、収入源を複数持ち、将来に向けた準備ができていれば、以前よりも落ち着いて生活できるかもしれません。
つまり、安心を考えるうえでは、資産の総額だけでなく、お金がどのように入ってきて、どのように使えるのかという視点も大切なのだと思います。
資産を増やすことと、収入源を育てること
私が資産形成で大切にしたいと考えているのは、資産の数字を大きくすることだけではありません。
将来、自分が働いて得る収入だけに頼らなくても生活できるように、少しずつ仕組みを育てていくことです。
例えば、株式の配当金や投資信託の分配金など、自分が働くこととは別のところからお金が入ってくる仕組みを作ること。
最初は少額でも、受け取れるお金が増えていけば、将来の生活を支える一つの手段になります。
もちろん、配当金や分配金は保証されたものではありません。減額されたり、支払いがなくなったりする可能性もあります。
それでも、資産を保有するだけでなく、そこから生まれる収入にも目を向けることで、将来に向けた準備の考え方は変わってきます。
資産額がいくらになったかだけでなく、そこからどのくらいの収入が生まれているのか。
そして、その収入が自分の生活をどの程度支えてくれるのか。
そうした変化も、資産形成を続けるうえで大切な指標になると考えています。
安心は、ある日突然手に入るものではない
資産形成には、明確なゴールを設定しにくいところがあります。
1,000万円を達成すれば、次は1,500万円。そこに到達すれば、今度は2,000万円が気になるかもしれません。
目標を持つことは、資産形成を続けるうえで役立ちます。
ただ、目標金額に到達することだけを安心の条件にしてしまうと、いつまでも安心できない可能性があります。
だから私は、資産が増えていく過程そのものにも意味があると考えています。
少しずつ蓄えが増えること。将来に向けた収入源が育っていくこと。以前なら難しかった選択が、少しずつ現実的になっていくこと。
そうした変化を積み重ねることで、将来への不安を完全になくすことはできなくても、不安に対処する力は育てていけるはずです。
安心とは、何が起きても困らないほどのお金を持つことではなく、何かが起きたときにも対応できる余地を持つことなのかもしれません。
まとめ
お金が増えれば、経済的な余裕は生まれます。
けれど、資産額が増えることと、安心して暮らせることは、必ずしも同じではありません。
大切なのは、ただ数字を大きくすることだけを目指すのではなく、そのお金によって何を実現したいのかを考えること。
将来の生活を支える資産を育てることも、働くこと以外の収入源を作ることも、そのための手段です。
資産形成は、残高を増やすこと自体が目的ではありません。
お金の不安に振り回されることを少しずつ減らし、自分の人生で選べることを増やしていく。
その積み重ねこそが、私にとっての資産形成なのだと思います。


